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1917年の中国・雲南省。 小さな村で2人組の強盗が謎の死を遂げた。 現場に居合わせたのは両替商の老夫婦と紙職人のジンシー(甄子丹:ドニー・イェン)。 事件を担当するため村にやって来たシュウ(金城武)は死体の状態から 殺しのプロの仕業であると推測する。 数年前に村にやって来て子持ちのアユー(湯唯:タン・ウェイ)と結婚し、 村でも評判の好人物であるジンシーは殺しのプロには見えない。 しかしシュウは根気良くジンシーについての調査を開始する・・・。 思いつくままに見どころを挙げてみよう。 まずはこの作品が13年ぶりの復帰出演作となる王羽(ジミー・ウォング)。 どうして「Wong」の「g」をカタカナ表記してしまうのかは謎だが、 大昔から日本での表記はそうなっているのだから仕方ない。 ショー・ブラザーズ作品にはそれほど詳しくない私ゆえ 彼の作品もそれほど観ているワケではないのだが、 (それどころか「王馨平(リンダ・ウォン)のお父さん」という認識の方が強かったりして) 若かりし頃に比べると貫禄がついたわ〜というかだるま化したのね〜というか。 そのべらぼうな強さったら人間の領域ではなくほとんど妖怪。 なのにあの最期とは・・・妖怪も自然の驚異には勝てなかったのだ。 アクション監督のみならず役者としても登場していること。 物語の冒頭村にやって来た強盗の2人組の小さい方。(笑) 卑しげで徳のない人となりがプンプンでスゴイ。(←褒めてます) 短命だけどなかなかインパクトあり。 シュウとジンシー。 2人は正反対の人生を生きている。 ジンシーは情を切捨て生きる道を両親に教えられ生きてきた。 しかしそれは自分の生き方ではないと気づき全てを捨てて 慎ましやかで静かな人生を選択する。 今のジンシーにとって情けや愛、家族こそが全てだ。 一方のシュウは過去に情けをかけることで取り返しのつかない苦い経験をして以来 情を一切捨て罪を裁き続けてきた。 曰く「善人などこの世にはいない」。 そう言いながらもひょっこりと顔を出そうとする己の情けの感情を 封じ込むために人知れず毎日針を打つのだ。 しかしそんなシュウの苦労を知ってか知らずかジンシーの妻アユーは シュウの本質をサラリと見抜く。 「彼は心根の優しいヒトね。でも自分ではそのことに気づいていないの」 アユー恐るべし・・・。 無駄に叩きのめすことなくツボを確実に仕留めることで 相手を死に追いやることができる・・・ なんていうエピソードには妙に説得力がある。 シュウという人物は自分の推理を証明するためには実践あるのみ。 隠されたジンシーの反射神経を引き出そうといきなり川へ突き落としたり 鎌で襲いかかったりとやることが大胆。 しかしジンシーの能力が露になることはなくシュウは首をかしげる。 ・・・いや、首をかしげる前に助けるとか謝罪とかね、そういうのはないわけね。(笑) なんとも飄々とした不思議な人物。 (丸眼鏡の金城くんは時折妻夫木くん・・・というよりは妻夫木くん演じる のび太に見えて困った。笑) ジンシーの正体を知りアユーは夫ジンシーに1つの疑問を投げかける。 「この村に来て最初に出会ったのがたまたま私だったから私と家庭を持ったの?」 この時のジンシーのあやふやな表情・・・それはないだろお前〜っ!(怒) だけど大切なのはきっかけよりも現在。 今のジンシーにとってアユーと2人の子供たちが彼の人生の宝であることは事実だ。 きっとアユー自身もそれをしっかり受け止めたのだ。 「夕飯までには帰ってね」 そう夫に微笑むアユーはシュウやジンシーよりも更に強く、そして美しい。 捜査官X オフィシャルサイト
by sabunori
| 2012-04-26 16:24
| MOVIE
|
Trackback(4)
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Comments(9)
Tracked
from 風情♪の不安多事な冒険 ..
at 2012-04-29 21:57
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from soramove
at 2012-05-10 07:13
タイトル : 映画「捜査官X」ドニー・イェンと金城武の見せ場を公平に用意
「捜査官X」★★★★ ドニー・イェン、金城武、 タン・ウェイ、ジミー・ウォング出演 ピーター・チャン監督、 115分、2012年4月21日公開 2011,香港、中国,ブロードメディア・スタジオ (原題/原作:武侠/WU XIA ) <リンク:人気ブログランキングへ">>→ ★映画のブログ★どんなブログが人気なのか知りたい← 「ドニー・イェンと金城武の共演を楽しみに劇場へ、 強盗殺人事件の凶悪犯二人が 山奥の村の店に強盗に入るが たまたま居合わせた職人に殺されてしまう、 屈強な2人を...... more
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from 真紅のthinkingd..
at 2012-05-10 11:49
タイトル : 武勇と侠気~『捜査官X』
1917ǯʤξ¼ѤĹȤζ 濦ͥꥦʥɥˡˤΡɱҡפˤäƻ˴롣 Įɸ줿ܺ奦ʶˤϡλ˵ǰ ԡġֺǶץɥˡλॢ ʱܺؤˮФϡסѤĹ 濦ͥꥦμǤ뤳Ȥϼä åΡإ㡼åۡॺ١⤦ĴŪˤ Ѥ餺ɷĶ䥢㤨Ϥ롪뤯ϡ빦 ŪƬǾ̾ܺΰؤμĥܤ瘝Ǥġ ưšϥŸȡԤֺǶװʾĶ ŪƨʤƤ褫ä ή...... more
Tracked
from 映画のブログ
at 2012-05-10 19:52
タイトル : 『捜査官X』 これぞヒーロー物の王道だ!
ڥͥХա ɥˡΥҡ�Υߥƥ ܤǴѵҤΤϤɤ� ۵ҤϸԤȽǤΤ�ҥåȤƵXθȡ(2008ǯ)ʤȤˮդȤˤϥߥƥȤΥȤǺܤDzǶ濴ȤʤʬФ�פŸƤ롣 ˮܺX٤˴ޤޤXפ⡢餸ܺ奦ΥԥXuפƬʸˤĤ褦ǡȤˤϡ֥ȥ�ܺX"ʱפȤޤǽƤ롣 ܺϥߥƥǤϤʤǤʤ ܺX٤θϡ١ɥˡΥҡ�Ǥ롣 פȤդϡܤǤϤޤߤʤ⤷ʤ ĤƲ...... more
こんにちは♪
説得力あるsabunoriさんのご感想、うなづきながら読ませていただきました。 シュウ、ジンシー両者の「情」に対する姿勢の違い、興味深かったです。 シュウは、人間として生きようとするジンシーに「撃たれた」ように見えました。 >妻夫木くん演じるのび太 きゃ~!!なんて感動的な比喩なんでしょう!! パソコンを前に、一人、大盛り上がりの私です♪ >この時のジンシーのあやふやな表情・・・それはないだろお前〜っ!(怒) そうそう、それはないですね。実際そのときの状況をみてみたいです。 あっしゃるように、アユーの美しさ、強さもよかったです!
0
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sabunori at 2012-04-27 20:53
孔雀の森さん、こんばんは♪
おっしゃるとおりまさにシュウはジンシーの人間として生きたいという一途な思いに 「撃たれた」んですよねぇ。 自分の身体を傷つけてでも過去を断ち切ろうとする姿は壮絶であるとともに 心を打たれました。 孔雀の森さんが書かれていたようにシュウを主役としたシリーズ化が できたらステキですよね。 本作のように毎回豪華な新旧ゲストを登場させてくれたら楽しいわー。 (ピーター・チャン監督の奥様も是非出演して欲しい) その中で徐々にシュウの過去や家族の話も語ってほしいです。 シュウと奥方との関係もいろいろありそうでしたものね。 本作は舞台が雲南省というのも風情があってよかったです。 シュウが唄いながら村民たちに責められるシーンも味がありました。
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風情♪
at 2012-04-29 21:56
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こんにちは♪
マスターはあの超人的な強さのワリにはあのヤ ラれ様ですからね…ビックリでしたよ。 まぁ、鍼灸と言うことで今の夜の鍼灸院にある 電気鍼ってぇところかも知れないなぁと思いな がら観てましたよ。 2人の生き方もそうなんすけど、おっしゃるよ うに人を生かす医術と殺める武術と同じツボの 対比がとても興味深かったです。 金城武ののび太時の妻夫木くん…言われ見れば だんだんそのように見えて来ました♪ (゚▽゚)v
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sabunori at 2012-05-04 22:16
風情♪さん、こんばんは。
お返事遅くなりゴメンなさい〜。 ジミー・ウォンのあのラストは「えぇ〜っそうきたかっ!」とビックリでしたよね。 しかしドニー演じるジンシーの両親のベラボウな強さを見たら 息子がタダモノではないのも説得力がありました。 シュウが検証しながら戦いの再現を見せるスローの演出も面白かったです。 金城くんののび太・・・ふふふ見えてきましたか? もう1つオマケにタン・ウェイが井上真央(名前あっているかしら)に ダブッて見えたのも事実です。
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at 2012-05-10 11:51
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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sabunori at 2012-05-10 13:33
鍵コメさん、わざわざコメントありがとうございます♪
sabunoriさん、改めましてこんばんは! 訪問が遅くなってすみません~。
この映画、かなり猟奇的だったと思うのですが私はすごく面白かったです。 ジミー・ウォング「妖怪」には爆笑しましたです。 あの強盗の小さい方(失礼)が日本の方だとは知りませんでした。 アクション監督って、、結構スゴイ方なんですね(容貌からは想像がつかず、笑) 金城くんって日本映画だとすごい棒読みだと思うのですが、中華映画ではどうですか?←暴言? 彼もすっかりアジアの顔ですね~。でも私はブッキーのび太は思いつきませんでした(笑) ところで。。 マレーシア旅行記も読ませていただいてます。 りう・いえくん似の青年って、、、!! sabunoriさんの妄想炸裂、わかりますわ~。 私でもガン見してそう。。てか話し掛けたい(爆)。 しかし西洋人の年配男性と中華カップルって、謎の組み合わせですね。。興味津々ですわ♪ 旅行記の続きも楽しみにしてますね~。
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sabunori at 2012-05-11 20:24
真紅さん、こんばんは☆
いえいえとんでもありませんよー。こちらこそ丁寧にありがとうございました。 ジミー・ウォング妖怪でしたよね。(笑) 彼の代表作に「片腕ドラゴン」という作品があるので父との戦いの中 ジンシーが片腕になったのは彼と作品へのオマージュかしら・・・ なんて考えてしまいました。 強盗の小さい方の彼、昔私が香港に住んでいた頃彼も香港在住で 香港映画のアクションにかかわる仕事をされていました。 今は日本在住なのかもしれませんが香港映画界とは深くかかわって 仕事をされていると思いますよ。 金城くんの日本語・・・確かに棒読みですよね。 北京語については私はよくわからないのですが、今回の役では 四川なまりのある北京語を話しているそうですよ。 言葉がわからないとそういう細やかな演出に気づかず損した気分に なりますよねぇ。(つづく)
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sabunori at 2012-05-11 20:24
真紅さん、つづきです。
マレーシアのリウ・イエくん似の男の子。 どこかやんちゃそうな目が魅力的な男性でした。 仕事上のつながりなのかしら??彼はマレーシア在住で西洋人の男性は 仕事でマレーシアに滞在中とか。 でも2人の間の雰囲気がガチガチとしては見えなかったんですよねぇ。 それに後から登場したあのチャイニーズ女性・・・謎は深まります~。 旅先では妄想ばかりしている私です。(笑)
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