1970年代に「リヨンの男たち」と呼ばれた伝説のギャング、モモン・ヴィダル
(ジェラール・ランヴァン)も現在では足を洗い妻や子供、そして孫に囲まれ
静かな人生を送っていた。
そんなある日親友のセルジュが長年の逃亡の末逮捕されたという知らせが入る。
無二の親友のため仲間とともにセルジュを脱獄させるが、それにより
モモンの平和な生活に暗雲が立ちこめ始める・・・。
最近のフランス映画、特にこの手のハードボイルド系作品の日本タイトルは
気恥ずかしいものが多い。
流行なのか??
チケットを購入するときに口に出すのが少々ためらわれて困りものだ。(笑)
という余談はさておいて。
本作は実在する伝説のギャングの実話を基にした物語だという。
やったらやり返し、それに対してまた報復。
いい年をした男たちだが子供のケンカと大差はない。
子供のケンカと違うのは相手の命を奪って落とし前をつけるというえげつない点だ。
主人公モモンは今や温厚で家族思いの老人として描かれている。
しかし若い頃のあの悪事の繰り返しを考えるとどうしても彼に感情移入はできない。
彼がギャングの道を歩んだ理由や心の内面が理解できず説得力がないのだ。
悪事を重ねている男と結婚しようと考えるモモンの妻の気持ちも理解不能だし
ギャング仲間の間の友情にも疑問がつきまとう。
理由はどうあれ手段を選ばずとにかく仲間を助け出すのが友情の証という姿に対しても
どこか冷めた目で眺めてしまう。
(これは私がオンナだからだろうか??)
更にとどめ的にフランス警察も半分腐っているから手に負えない。
・・・つまりモモンのみならず誰1人として納得できる登場人物がいなかったのだ。
ラストに明かされる真実についてもそれほど心揺すぶられず・・・
全体的に何もかもが中途半端な物語だった。残念。
そして友よ、静かに死ね オフィシャルサイト