邦題を観て「ああ、舞台はロンドンだったのね」と初めて気づいてしまった。
長年連れ添った妻を捨て独身に戻り、自分の年齢に不釣合いなほど若い女性
(それもコールガール)にうつつを抜かす男(アンソニー・ホプキンス)。
父親の恋人を紹介され、開いた口がふさがらない娘のサリー(ナオミ・ワッツ)の
唖然とした表情が笑いを誘う。
自分の父親の女の趣味の悪さを思い知らされるというのはキツいだろうなぁ。(笑)
両親と娘そしてその夫。
4人の男女の新たな恋の行方を眺めながらニヤニヤ。
本当に人間というのはいくつになっても懲りないし愚かなのね。
しかし彼らの恋の行く末を見守るうちに彼らの人生そのものに暗雲が立ちこめる。
中でも悲惨な未来が待ち受けているのはサリーの夫ロイ(ジョシュ・ブローリン)だ。
友人の死を願わざるを得ない人生、現在の幸福がいつ消えてしまうかと
日々怯えながら暮らす人生なんてまるで地獄ではないか。
婚約者を捨ててまでロイと恋に落ちるディア(フリーダ・ピント)の気持ちは
いまひとつ理解できなかったものの、彼女のエキゾチックな愛らしさにノックアウト。
ワンピース、ブラウス、カーディガン・・・いつでも「赤」を身につけている彼女を見て
危うく赤いワンピースを衝動買いしてしまいそうになったではないか。(笑)
華奢で化粧っ気もほとんどないものの可憐で魅力溢れる彼女を見てしまうと
ナオミ・ワッツがやけにアメリカーンなガッチリ体系で大味なオンナに見えてしまう・・・。
しかしそれにしても後味が悪い幕切れの物語だ。
クスクス笑いながら最後にほんの少し切なさが残る・・・
そんなウディ・アレン作品が個人的には好き。
恋のロンドン狂騒曲 オフィシャルサイト
アメリカ・スペイン合作