アメリカではわずか4館での公開でスタートしたものの、
あっという間にクチコミで500館を超える拡大公開となったというこの作品。
面白くなかったわけではないのだが・・・
個人的にはそれほど心に響くハナシでもなく。
ひょっとして主人公と同世代の女性にはウケているのだろうか。
「男と女に友情は成り立つか?」
このテーマの映画といえばやはり思い出すのは「恋人たちの予感」。
かの作品がすったもんだの末に結婚にたどりつくストーリーだったのに対し、
本作は主人公の2人が離婚を決めたところからスタートする。
観進んでいくうちにこの作品が描いているのは「男女の友情」というよりは
「大人になりきれない男女の成長の物語」なのだと思った。
言っちゃナンだが、そもそもこの2人が結婚したことが間違いだったのでは?
2人の間でだけ通じ合う悪ふざけの類はあまりにもガキっぽくて
観ているこちらは気分が滅入るだけだったが、とにかく気が合うのは事実。
だが結婚に至るような関係とはまた違うような気がするのだが・・・。
トレンド発信という華やかな仕事柄もあるのだろうが、主人公セレステ
(ラシダ・ジョーンズ)の人を見下すような言動が絶えず私をイライラさせた。
人間あそこまで自分に自信を持って生きていけたらスゴイよな。
でもだからこそ、ひとたびその自信が崩れたらもう最悪。
自分と別れたジェシー(アンディ・サムバーグ)が他の女性と結婚することになり
まさに青天の霹靂状態のセレステ。
守る家族ができたことで一まわり大人になったジェシー
(それまでの彼はただのヒモにしか思えなかった)との距離を感じて
世界が自分中心に回ってはいなかった、とやっと悟った30オンナ。
なりふりかまわず取り乱して毒づいて落ち込んで・・・
そんな自分をも愛しいと思えたら、きっと昨日よりイイオンナになっているはず。
全く感情移入できなかったセレステに最後には少しだけエールを送りたくなった。
セレステ∞ジェシー オフィシャルサイト