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なぜか昔読んだ星新一の短編を思い出した。 ある組織には合言葉がある。 組織の人間たちは一般市民としてごくごく普通の生活を送っている。 しかし大金を手に入れるチャンスにめぐり合ったときには行動に出る。 その際組織の合言葉を口にするのだ。 それを聞いて居合わせた人間が反応すればともに協力し遂行する。 もともと何のつながりもないたまたま居合わせた者同士、 捜査の手がのびるリスクは非常に少ない。 合言葉に相手が反応しない場合はムリな行動は起こさずまた次回のチャンスを待つ。 久しぶりに生粋の香港映画を観た!と思った。 物語の冒頭。 空から見る香港の街。 初めて見るアングルに馴染みの街が新鮮に映る。 それにしても・・・ 観終えてこんなにスッキリしない作品とは! なにしろエンドロールが流れても確固たる真実が見えてこないのだ。 登場人物が誰1人として信用できない。 どんな人間だって叩けば埃の1つや2つ出るものだろう。 それゆえ何気なく発する言葉の1つ1つのその裏側を邪推してしまう。 それは主人公であるラウ(郭富城:アーロン・クォック)もまた例外ではない。 あれだけ慎重な男が多く準備しすぎた身代金を戻すための手配を あれほど簡単に済ませてしまうものだろうか。 「不要な身代金を犯人が狙う」というのは素人である私たちだって考えつくことだ。 本作でICACなる汚職捜査機関を初めて知った。 この組織が絡んでくることで物語は後半更に複雑を極める。 李治廷(アーレフ・リー)演じる若い捜査官をラウが警官に転職しないかと 誘うシーンがある。 次回作で彼がいきなりラウの部下として警察で働いている・・・ なんてことはないか。(笑) あの真っ直ぐな目の青年は自分の仕事に誇りを持っているようだし。 いやしかし、メチャクチャ贅沢な俳優陣の使い方ではないか。 えっこのヒトの出番たったコレだけ!?と驚いて何度身を乗り出したことか。 劉徳華(アンディ・ラウ)に関しては続編でも登場するに違いないので何とも思わないが 安志杰(アンディ・オン)、尹子維(テレンス・イン)、王敏徳(マイケル・ウォン)・・・ 私のお気に入り俳優たちが登場してニヤついているとあっという間に消えていく。 そんな中、私が一番「そ、そんなもったいない!」と驚いたのは何華超(トニー・ホー)。 金庫課の彼はバカンス中のオーストラリアから戻された挙句あっという間に爆死。 えぇ〜ったったこれだけですか!? 今までどちらかというと「隣に住む気のいい男前の男の子」というイメージだった 彭于晏(エディ・ポン)。 最近香港映画でそのお姿をよく拝見するのだが今回は新境地を披露してくれた。 行動班副長官リー(梁家輝:レオン・カーファイ)を父親に持ち自らも警察官である 彼の不敵な笑顔に思わずゾクリ。 そしてリーを演じる梁家輝のあまりの恰幅の良さにビックリ。 この役で今年の香港電影金像奨主演男優賞を受賞したのは納得の演技だ。 すでに続編のクランクインも決定しているという本作。 もしかしたら2部作では終わらず「インファナル・アフェア」のように 本作の過去に遡るストーリーも作られたりして? そうなると今回ほんの少しの登場だった人物たちが再登場する可能性もあるかも・・・。 本作を観終えたその瞬間から続編が待ち遠しい気持ちはすでに始まっている。 コールド・ウォー 香港警察二つの正義 オフィシャルサイト
by sabunori
| 2013-11-11 19:56
| MOVIE
|
Trackback(2)
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Comments(18)
Tracked
from 真紅のthinkingd..
at 2013-12-15 21:24
タイトル : 黒幕は誰だ~『コールド・ウォー 香港警察 二つの正義』
..
寒戦 COLD WAR 賑わう香港の繁華街で、爆破事件が発生。時を同じくして、警官5人のチーム が忽然と姿を消した。海外出張中の香港警察長官に代わり、副長官のリー(梁 家輝レオン・カーフェイ)が陣頭指揮を取って非常事態宣言を発令するが、もう一 人の副長官、ラウ(郭富城アーロン・クォック)はそれに反発する。行方不明の 警官チームにはリーの一...... more
Tracked
from ここなつ映画レビュー
at 2014-01-07 11:53
タイトル : 「コールド・ウォー 香港警察 二つの正義」
この作品を観ずして香港映画を語るなかれ! と、言いたい程に凄い作品。香港警察物としては、近年稀にみる傑作でしょう。 少しネタバレしてしまうと、究極は警察組織の中での権力争いがベースになっているのだが、この長官を頂点とした警察組織、互いに法治国家である日本と香港、似通った部分もあり興味深い。組織犯罪物、というか、誘拐・身代金物、というか、銃撃戦、カーチェイス、何でもアリな中、男達の互いに火花散らす戦いが描かれている。 以下、粗筋です。 香港最大の繁華街モンコックで爆破事件が起...... more
こんばんは♪
ちょっとおそくなりましたが、お帰りなさい! 九份といえば私も断然『悲情城市』です。 (数年前行った時、どこが「千と千尋~」の風景なのか全くわからず…) さてこの作品、ほんとに終始くぎづけでした! 星新一のその作品は未読ですが、合言葉で事が進む展開もまた ゾクゾク感たっぷりで、目が離せませんでした。 その作品、今度読んでみよう! >多く準備しすぎた身代金を戻すための手配を あれほど簡単に済ませてしまう おお、そうですね!そう考えると彼も黒幕候補の一人? こうして一人一人をみていくと、それぞれ怪しくなってきます。 誰が黒幕でも、納得の結末を期待してしまいます。
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sabunori at 2013-11-13 08:58
孔雀の森さん、ただいまです~!
おぉ、孔雀の森さんも「悲情城市」派ですか。嬉しいです。 星新一の作品は短編なのですが、どの本に掲載されていたか、 更にはタイトルすら思い出せません。 なんせ読んだのが中学生の頃だったので遠い過去すぎて。(笑) ラストでラウは電話で脅迫を受けているので、まさか・・・とは思うものの、 いやいや安心は出来ないとすっかり疑心暗鬼になっている次第です。(笑) 来年にはパート2は日本でも公開されるのでしょうかね。楽しみですね! 次回作以降でアンディ・オンくんがもう少し活躍してくれることを祈りつつ。(笑)
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usako
at 2013-11-17 16:10
x
私も地元の映画館で結構満員のお客と観て来ました
最近 また香港映画に人気が戻ってる気がするこの頃です あのお金返す場面はえ?って思いますよね 最後のアーロンに脅迫電話場面もえ? まあ全ては続編で解決するのでしょうか?ね テレンスも怒られるだけじゃなく活躍させてやれ!って叫んでます(笑)
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sabunori at 2013-11-17 21:48
usakoさん、こんばんは。
こちらでも私が観た劇場はまぁまぁの入りだったのですが、 よく考えたら関西で唯一の公開劇場だし、初日の初回だったので 観る気のある方がこぞって来たからなんだろうなぁーと思っていました。 香港映画人気の復活! そうなってくれると嬉しいですよね♪ とりあえず公開作品が増えてくれるでしょうしね。 続編を観るときにはきっと本作の内容があやふやになってしまっているから もう1度DVDでおさらいが必要になりそう。 テレンス、しょっぱなからあらあら!な展開でその後もほとんどいいとこナシ でしたよね。 続編での活躍を是非ともお願いしたいところですね!
sabunoriさん、こんばんは!
これ面白かったです! ホント先(真相)が読めない展開で、翻弄されてしまいました。 特に、アーロン・クォックの表情が全然読めなかったです・・・。 あれは演技なのでしょうか、、、それとも(笑)。 >すでに続編のクランクインも決定しているという本作 そうなんですね、わーい♪ 過去に遡ってのストーリー、、っていうのはアリですね。 私は平日の夕方の回で観たのですが、結構入っていましたよ。 シネマートさんには、これからも頑張ってアジア映画上映して欲しいですね~。
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sabunori at 2013-12-16 19:15
真紅さん、こんばんは。
お待ちしておりました〜! シネマート、1日1回の上映ながら結構ロングランになっていて嬉しい次第です。 平日の夕方でも結構入っていたとは・・・。(嬉) この作品、真相が全く読めないですよね。 本作はまだまだプロローグっていう感じでしょうか。 過去に遡るストーリーは絶対ありですよね。 そうかそうか、アーロン・クォックのまゆげ、強烈でしたか・・・。(笑)
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kogarinta at 2014-01-07 11:53
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sabunori at 2014-01-08 23:02
ここなつさん、明けましておめでとうございます。
今年もヨロシクお願いいたします♪ TBありがとうございます。 この作品、ホント近年の日本公開香港映画には珍しく、単館ながら ロングランになりましたね。 普段香港映画を観ないヒトでも楽しめると思うのですが、 やはり香港の街や俳優を知っていると更に楽しめる作品ですよね。 早く続編を観たいです~~。
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kogarinta at 2014-01-09 16:43
sabunoriさま
こんにちは。私も早く続編が観たいです~ 香港映画の公開がじり貧だった頃に比べると、ちょっとずつ、ちょっとずつ、公開が増えてきているのかなぁ…? ところで、ジョニー・ト―の作品が、今週末新宿シネマカリテで公開されるので行ってこようと思っています。 sabunoriさんの龍眼日記に掲載なさっている作品は、香港映画以外でも一致する作品に又TBさせていただくかもしれません。 その時は、よろしくお願いします。
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sabunori at 2014-01-10 22:32
ここなつさん、こんばんは。
ここ数年日本での香港映画の扱いはかなり暗い状況でしたからねー。 少しづつ復活の兆しが見えるような・・・見えると思いたいような。 いえいえ、実際復活してきていますよね♪ 今週末公開のジョニー・トー作品・・・「毒戦」かしら。 それだとしたら実は私は昨年映画祭で鑑賞済みなのですが、期待しても いいかも、ですよ~。 感想UPされたら遊びに行かせていただきますね。 もちろん香港映画以外でもTB大歓迎です。 最近すっかり出不精になっている私ですが(笑)私も遊びに行かせて いただきますね~♪ こちらこそこれからもよろしくお願いいたします。
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kogarinta at 2014-01-14 16:30
sabunori様
こんにちは。はい、「ドラッグ・ウォー 毒戦」行ってきました。もう、すっごくすっごく観終わって放心状態になる位、すっごく良かった! ところが初日は満席で入れなかったのです。ちょっとびっくり。 人気が高まってきているんでしょうね…。 それにしても、私が映画をここまで観るようになったのはジョニー・ト―御大がきっかけですので、今回の大陸で撮ったジョニー・ト―は感無量です。 勿論ルイス・ク―も好きだし…って、結局イケメンかい?!(笑)
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sabunori at 2014-01-15 20:50
ここなつさん、お返事が遅くなり申し訳ありません!
「毒戦」ご覧になられましたかー。 初日満席って・・・すごいですねぇ。ビックリ! 香港映画には興味がなくてもジョニー・トー作品はご覧になる方は 結構いそうですものね。 この作品、大陸での許可を得るためにいろいろ交渉していたら 出来上がったときには全く違う作品になっていたそうですよね。(笑) 本来はもっと香港サイドの面々をメインにするはずだったのでは?
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kogarinta at 2014-01-16 09:56
sabunori様
こんにちし。体調はいかがですか? 私自身がゆるゆるブログをやっておりますので、お返事の速度はお気になさらないで下さい~。 私も早速パンフを買って、大阪でのジョニー・ト―インタビューを読んだら、「人をあまり殺さないよう、銃をあまり撃たないよう」当局に指導された、と監督がぼやいているのを読みました。でも沢山死んでるがな!(笑)
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sabunori at 2014-01-17 22:27
ここなつさん、こんばんは。
おかげ様でどうにか復活いたしました~。 お返事の件お気遣いありがとうございます。 この作品のパンフを購入されたのですね! ふふふ、予定ではもっとたくさん殺すつもりだったのでは?(笑) 予算的な面でどうしても大陸に頼らなければならないことが多くなってしまった 最近の香港映画ですが、金は出しても口は出してほしくないわーと 思うのはやっぱり虫の良いハナシでしょうかね。
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kogarinta at 2014-01-18 00:27
sabunoriさま
こんばんは。この「毒戦」はもう一回観てもいいかも。死ななかった人をチェックするために(笑)。
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sabunori at 2014-01-19 20:17
ここなつさん、こんばんは。
ぜひとももう1度ご覧になって1度では確認できなかったことを チェックしてみてください。 私はもう1年も前に鑑賞したのでかなり内容を忘れてしまっているかも。 私の方こそもう1度・・・ですよね。
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kogarinta at 2014-01-21 09:12
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sabunori at 2014-01-23 22:00
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