本作を観て初めて知ったのだが台湾では1950年代から80年代にかけて
台湾語映画全盛の時代があったという。
「北投」といえば今ではすっかり温泉地のイメージが強い私だが
この土地が当時は「台湾のハリウッド」と呼ばれていたそうだ。
北京語ですらほとんど解さない私だが台湾語となるとまさにお手上げ状態だが
当時の台湾では北京語を解さない本省人が大部分だったため
台語片は大いに受け入れられたそうだ。
しかしこの台語片もやがて北京語普及政策により衰退の一路をたどる。
そんな話を聞くと香港における広東語映画の今後が少しばかり心配になってしまう。
いやいや、香港映画界が完全に広東語を手放すなんてあり得ないから大丈夫!
そんなコトを考えつつこの作品を鑑賞してしまった。
本作はそんな台湾語映画(台語片)作りに夢をかけた祖父が
女優だった祖母との青春時代を18歳の孫娘に語るというストーリー展開。
現在の祖父母と若き日の祖父母。
どちらもよく似ていて特に祖母に関しては同一人物が演じているのでは!?と
疑ってしまうほどのソックリさにビックリ!
劇中で作られる台語片もその奇想天外なチープさが楽しく、
現在残っている貴重な台語片作品を観てみたい気持ちが俄然強くなる。
そんなふうに私の知らない台湾映画の歴史を教えてくれた本作ではあるものの
残念ながら映画としてのその内容は私にとってはそれほど魅力的ではなかった。
特に女優時代の若き日のおばあちゃんのキャラクターと高すぎる声に思わずイラッ。
私の苦手なタイプの女の子・・・だけど男子からはモテるんだな、きっと。(笑)
台湾映画<「大阪アジアン映画祭2014」にて鑑賞>