これ、劇場鑑賞しなくてよかった。
面白くないから、ではなく、涙と鼻水でスゴイ顔に・・・。(笑)
もちろん泣ければ良い作品だなんて考えはサラサラない。
不治の病、家族の絆なんていうアイテムがそろえば
とりあえず泣ける作品は出来上がるということも想像がつく。
しかし本作は私の予想を軽々と超えていった。
まず予想外だったのは途中双葉(宮沢りえ)と娘2人が旅に出ること。
更にあ、これは自分の病について娘に話をするんだな、と思っていたら
全く別の展開が。
そして何度も繰り返されていた母親との別れのシーン。
これも誰の記憶だったのかが分かった時もう1つの親子の物語が生まれる。
これらの予想外のストーリー展開のうまさもさることながら
この作品の一番の魅力は登場人物とそれを演じる役者たちの力量。
主人公双葉が持つ家族を大きな大きな愛で包み込む懐の深さは圧巻。
決して甘やかすだけではない彼女のもとで娘の安澄(杉咲花)が
どんどん逞しく成長していく姿は実に清々しい。
制服を取り返すシーンは拍手モノ。
あの新品の下着のエピソードの伏線もお見事。
オンナたちが逞しく成長していくストーリーの中、夫一浩
(オダギリジョー)のフニャフニャだけど憎めないキャラも良いスパイス。
考えてみたらこの夫婦、カッコイイよなぁ。
ラストの展開は銭湯という舞台とタイトルから想像の範囲内ではあった。
個人的には「う~~ん」と思わないでもないが、これもアリでしょう。
アカデミー賞外国語映画賞、頑張って欲しい。
湯を沸かすほどの熱い愛 オフィシャルサイト2016年 日本映画