当たり前のことに初めて気づいた。
昨日1日さぶろうが生前お世話になった訓練所やら病院やらをまわって
ご報告とお礼をして歩いた。
話が話なので終了間際の動物病院でお世話になった先生の診察が終わるのを
待っていると1組の年配のご夫婦が待合室の隅の方でひっそりと座っていらした。
愛犬くんの診察が終わるのを待ってらっしゃるんだな・・・となんとなく思っていたのだが
奥さんが静かに泣いているのに気づいてしまった。
「あちら側の出口からお出ししますね。」という受付の方とのやり取りで
ああ、私たちと同じことが起こってしまったんだな・・・と想像がついた。
これからしばらくの間私たちがたどってきたあのつらい時間をこのご夫婦もたどるんだ・・・
と考えると胸が苦しい。
以前動物病院を訪ねるのは、飼い主さんたちがごったがえすにぎやかな
時間帯ばかりだった。
そんな時間に来るのは自分も含めほとんどがそれほど深刻な病気での通院ではない。
だから待合室はワイワイガヤガヤ実ににぎやかで「あの子かわいい」
「この子は何犬?」とほとんどサロン状態。
きっとそんな中居心地が悪く、つらい思いを抱えたヒトもいただろう。
だから深刻な悩みを抱えたヒトの多くは静かな終了間際の病院に飛び込んで来る。
私たちがそうしたように。
そんなヒトの存在に今まで私はまったく気づかなかった。
今回自分がそういう立場におかれるまで。
当たり前のことに気づかない毎日。
経験する前に気づいてさりげなく思いやることができる・・・そんな大人に憧れる。