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1906年イギリス統治下の香港。 清朝打倒を掲げる孫文が武装蜂起のための同志たちとの密談目的で 10月15日に来港することになる。 北京の紫禁城ではその情報を聞きつけた西太后の指令のもと シャオグオ(胡軍:フー・ジュン)を中心とした500人の暗殺団が組織され 香港へと乗り込む。 一方香港では新聞社社長で中国同盟会の香港支部長・シャオバイ (梁家輝:レオン・カーファイ)を中心にその密談の1時間、 孫文を守るために名もなき義士団が結成される・・・。 あっという間の139分。 いや〜っお腹いっぱい堪能した。 少々感傷的な部分もあるにはあるが、 私はこういう真っ向勝負でストレートな作品が大好きなのだ。 巷ではあたかも甄子丹(ドニー・イェン)が主役のような宣伝だが、 実際のところ彼だけではなく義士団の1人1人が主役だ。 甄子丹(ドニー・イェン)演じる博打好きな汚職警官が義士団に加わるのは (加わるといっても個人的に暗殺団に立ち向かうのだが) 離れ離れになった娘に対する父親の面目躍如が目的だし、 彼を含め義士団の面々はそれぞれ親の仇が目的だったり 孫文がどんな人物かよくわからないけどご主人様のために身体を張ったりと 全てが「孫文のために」という思いではないにもかかわらず 自分の命をかけて「1時間」を守り抜こうとする姿に心打たれる。 なんといってもこの作品、1人1人の人物とその周辺、関係を 丁寧に描いていることに好感が持てる。 特にアスーを演じる謝霆鋒(ニコラス・ツェー)が印象的だった。 いつどんな役を演じてもどこか「いい男」な役柄ばかりで ほとんど好感を持てなかった彼だったが、今回は学はないが まっすぐな心を持った人間味あふれるアスーを見事に演じていたと思う。 他に気になったのは巴特爾(メンケ・バータル)演じる臭豆腐。 暗殺団との戦いの中でダンク・シュートもどきの技を決めた彼は 予想通り本業はプロ・バスケット選手だった。 彼が最期にアスーに向かって自分の本名を明かすシーンには思わず涙が・・・。 同じく涙があふれてしまったのは李宇春(クリス・リー)演じるファン・ホンが 自らの身体を張って戦い、最期に口にする「父上親不孝をお許しください」のセリフ。 歌手が本業の彼女、本作のテーマ曲も彼女の歌だという。 あのエンディングに流れた曲だろうか。 力強く澄んだ、魅力的な歌声だった。 それにしてもゲスト出演俳優陣の豪華さに胸が躍った。 冒頭、張學友(ジャッキー・チュン)の登場に思わずほくそ笑む。 ほんの数分の出演ながら学生たちに慕われる教師役は彼にピッタリだった。 同様に浮浪者(黎明:レオン・ライ)の想い人としてワンシーン出演する 李嘉欣(ミッシェル・リー)の美しさは相変わらずだ。 しかしなんと言っても私を小躍りさせたのは岑建勲(ジョン・シャム)・・・ 通称モジャさんの登場。 本作では製作サイドのみでなくアスーが結婚を申し込む女の子の父親役で 役者としても参加しているのだ。 アスー、幸せそうだわ・・・。 そうそう、忘れてはいけない胡軍(フー・ジュン)。 眉毛も髪の毛もなく、逆さにしても同じ顔、みたいな風貌が迫力満点。 普段の微妙なヘアスタイルよりも今回のようなスキンヘッドの方が似合っている、 と思うのは私だけではないだろう。 さまざまな登場人物、シーンが心に残る作品だったが、 その中でも一番胸に響いたのは1906年当時の香港の街並み。 クラシカルな建物が建ち並び、今以上ににぎやかな看板がひしめきあう街並みは 当時の活気あふれる香港を感じられる。 嗚呼できることならこんな時代の香港をそぞろ歩いてみたい。 孫文の義士団 オフィシャルサイト
by sabunori
| 2011-04-24 23:00
| MOVIE
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Trackback(5)
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Comments(10)
Tracked
from 小泉寝具 ☆ Cosmi..
at 2011-04-26 21:50
Tracked
from 映画的・絵画的・音楽的
at 2011-05-01 06:02
タイトル : 孫文の義士団
『孫文の義士団』をヒューマントラストシネマ有楽町で見てきました。 (1)まあこんなもんでも仕方ないか、とあまり期待せずに何の情報も持たずに見たところ、案に相違して、随分と面白い内容なのに驚きました。 清朝末期(1906年10月)、中国本土の各地で一斉に武装...... more
Tracked
from 真紅のthinkingd..
at 2011-05-20 09:21
タイトル : 辛亥革命前夜〜『孫文の義士団』
ԣ BODYGUARDS AND ASSASSINS 20Ƭī?ˤǤϡ̤ ͫ̿͡˾Ƥʻ̿¹ʸˤäƤ Ȥ⤿餵롣 Υ륹㥹Ȥˤ뷲Dz衣θշ б顢ȤȤΤߤdzڤߤˤƤʤǡ줺 ˴վޡϤ䡢ۤɤιڥ㥹Ȥ뤷ʤäȤϡ 礭ʥǴѤͤȻפ㥹Ȥ褷ȡ 褷ʸʤեȥ쥸åȤվȥɥˡ ͤǤ衣Ѥ餺Ķ䡦®䥢Ƥޤɷ ᡢǤʤ ...... more
Tracked
from soramove
at 2011-07-07 07:14
タイトル : 映画「孫文の義士団」歴史的事実には疎いがアクションには..
「孫文の義士団 」★★★★★ ドニー・イェン、レオン・ライ、ニコラス・ツェー、 ファン・ビンビン、ワン・シュエチー、 レオン・カーフェイ、フー・ジュン、エリック・ツァン、 リー・ユーチュン、サイモン・ヤム、 チョウ・ユン、ワン・ポーチエ出演 テディ・チャン 監督、 131分 、2011年4月16日, 2010,中国、香港,ギャガ (原作:原題:十月囲城/BODYGUARDS & ASSASSINS ) → ★映画のブログ★ ...... more
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from マサオブザデッドのかゆう..
at 2012-02-15 15:06
タイトル : 【DVD】孫文の義士団
★★★ 江頭2:50が、映画秘宝で2011年のナンバー1にあげていた香港アクション。これは怖い。なぜなら人の良さそうな登場人物達がストーリーの流れで死ぬであろうことがあらすじ見ただけで分かるから。戦いから帰ったら結婚しようぜって言って無事帰って結婚出来た人って見... more
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grandma-alice at 2011-04-24 23:38
sabunoriさん、こんばんは。これ、面白かったですよね~^^
登場人物ひとりひとりの描写が細かくて、最後まで手をグーにして観てしまいました。 映画の邦題って・・・誰がつけるのでしょうね(笑)
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sabunori at 2011-04-25 23:14
grandma-aliceさんもご覧になられましたか!
ここでは書き切れなかったのですが他にもリー・ユータンと息子の チョングアンの物語、暗殺団のボス、シャオグオとかつての恩師シャオバイの関係、 ファンと亡くなった父親のエピソードなど本当に盛りだくさんながら うまくまとめてありましたね。 孫文の母がチョングァンの震える手をとってお礼を言うシーンも印象的でした。 この作品の邦題・・・怒る気にもならないくらいです・・・あきれて。(笑)
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風情♪
at 2011-04-26 21:47
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こんにちは♪
知名度から言っちゃえばD・イェンが前面に扱われて しまうのは仕方ないっすけど、おっしゃる通り義士 団の一人ひとりが主役でしたよね。 しかもかなりの人数にも関わらずきちん個々の背景 を鎌化に丁寧に描かれていてドラマ性も感情移入の 度合いも高くて並のアクション映画じゃねぇッ!っ てぇくらいに素晴らしい作品でした。 N・ツェーを個人的に久しぶりに観たんすけど、成龍 作品には欠かせない往年のコメディ俳優、ディーン・ セキに観えちゃいました♪ (゚▽゚)v
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sabunori at 2011-04-27 21:11
風情♪さん、こんばんは。
「ドニー・イェン主演!」というふれこみで集客できるほど、 ドニー・イェンは日本では知名度が上がったっていうことでしょうかね。 (確かに最近彼主演の作品の日本公開が続いていますね) あはは!ディーン・セキになっていましたか?ニコラス・ツェー。(笑) ディーン、もとい、ニコラス・ツェーはこの役で昨年の香港電影金像奨・ 助演男優賞を受賞したそうです。 (ちなみに最優秀作品賞はこの「孫文の義士団」でした) 私の今年のベスト10入りを予感する作品でした♪
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呉二
at 2011-05-04 17:21
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昨日、観てきました!
私は臭豆腐に「男やなー!(涙)」でした。李宇春も良かった。 りよんの役は、彼でなくても良かった気が…(爆) あの役がドニーさんというのもアリだね、と一緒に観た友と話してたのですが、どうでしょう? この作品は、中華圏の映画のファン以外にも観る方が多いと思うのですが、 キャストを知っている方が楽しめるのではないかと。まさに張学友の 登場とか。そういうのって、やっぱり香港映画らしいところかな、なんて思いました。
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sabunori at 2011-05-04 22:54
呉二さん、こんばんは。
臭豆腐、よかったですよねぇ。最期はまさに「身体を張って」の戦いっぷりに 涙涙でした・・・。 黎明の役がドニーさん、あぁ、確かに! その配役シックリきますね〜。 私が観たときは年齢層が妙に高くて(年配男性がほとんど) 「孫文」だから??と少々ビックリだったのですが、 彼らはあの冒頭シーンで張學友の登場にニンマリ、はしませんよね。(笑) 香港映画ファンのみがニンマリできて楽しさ倍増っていうの、いいですよね。 北京語の中にちょこっと登場する広東語の会話シーンとかね。
sabunoriさん、こんにちは♪ 遅れ馳せながら記事アップしました。
この映画、豪華キャストなだけでなくストーリーも映像もアクションも文句なしの傑作でしたね。 単館じゃなくて、シネコンで大々的に公開すればいいのに、、と思ってしまいます。 私はさほど香港映画迷ではないので深くは楽しめてないとは思うのですが、それでももう一度観たいと思ってしまうくらい面白かったです。 クレジットに張学友の名前があったので、「え、どこに?」と思ったのですが最初に殺された先生だったのですね~。 ところでソウル紀行、楽しく拝見しております。 ものすごく美味しそうですね。。全てが。 ソウル、是非訪れてみたい街の一つです。
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sabunori at 2011-05-20 23:17
真紅さん、こんばんは。
こういう作品、胸が躍りますー。大好きなタイプの映画ですわ。 シネコンで公開されないところがまたいいんですよ、きっと。 ゲストでチョロッと出演だとエンドクレジットを見て「えっ!?」と思うことって よくありますよね。 今回の張學友は冒頭アップになったからわかりましたが、 そうでなければ私もわからなかったかも。 レオン・ライは彼のファンが香港の映画館でこの作品を観ても (前情報を全然知らず彼が出ているのも知らなかった)わからなかった というハナシを聞きました。 確かにあの浮浪者の爆発頭でドロドロの顔ではムリもないですよねぇ。 真紅さんが「佐々木希似」とご指摘していらしたファン・ビンビンは サントリーの烏龍茶のCMですごい勢いでラーメンを食べている姿とは まるで別人ですよね。(笑) ソウル旅行記、というかソウル食べ物記ですが細々とまだ続きます。 よろしかったら見てやってくださいませね。 真紅さんもいつか是非♪
こんばんは♪
うかうかしているうちに公開が終わってしまったので、映画祭での レビューをTB(URLにて)させていただきました。 豪華メンバーそれぞれに存在感があって、見ごたえありましたね。 ちょこっと出演の俳優さんたちも、インパクト強かったです。 クリス・リーは実に印象的でした。いわゆる美人、可愛い、といった 女優さんが多い中国にあって、あのボーイッシュな風貌は とても貴重だと思います。最期の場面は私もじわっときました。 最近は時代アクションものが続きますね。
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sabunori at 2011-05-30 22:30
孔雀の森さん、TBありがとうございました!
観よう観ようと思いつついつの間にやら公開終了・・・私もよくあります。 つい最近もありました。 でも昨年の東京国際映画祭ですでにご覧になられていらっしゃったのですよね。 クリス・リー、おっしゃるとおり甘さのないボーイッシュな風貌が魅力的です。 お父さんに繕ってもらった服を大切に着る姿が印象的でした。 ホント、時代アクションものが続きますね。 この後にも「蘇乞兒」や「孔子」(これはアクションではないのかしら?)などが 控えていますものね。
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