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「白鳥の湖」の主役に抜擢されたバレリーナ、ニナ(ナタリー・ポートマン)。 しかし純真な白鳥を完璧に踊る一方で官能的な黒鳥を演じることができない彼女は 次第に精神的に追い詰められていく・・・。 もっと文芸的な作品なのかと思っていたら意外や意外、 結構エンターテイメント性の高い作品だったのね。 評判通り主演のナタリー・ポートマンの演技は良かった。 母親が遂げられなかったプリマドンナとしての成功の夢に縛られて ニナは人生の全てを母親に支配されながらバレエに打ち込む。 全て彼女の母親の趣味で凝り固められた日常。 物語よりもこの母親の娘に対する思い入れの強さやお仕着せの少女趣味が 私にとっては地獄の如く恐ろしかった。 白とピンクを基調にした部屋にフワフワとしたぬいぐるみだらけのニナの部屋。 思わず「小学生かよ!?」と心の中で突っ込んでしまった私。 なにしろ私が一番苦手な世界なもので・・・。 彼女の普段の服装も同様に白もしくは淡いピンクの少女趣味なものばかりで これまた心の中で「お願いします。もう許してください・・・」と繰り返す。(笑) 物語はつまるところニナの不安と追い詰められた気持ちが作り出した 妄想の世界なので、登場人物たちは全て彼女の心のフィルターを通して 見える姿として描かれている。 そのため結局のところどこまでが真実なのか、 はたまた彼女の妄想なのかの境界線がわかりずらかった。 特にニナが主役の座を取られると敵対視するリリー(ミラ・クニス)の存在。 実は意外にもイイヒトのようでガッカリ。 ああいう自信満々な顔つき、好きなんだけど。 人間なんて弱いものだということは承知の上だが、 やはりこういう世界においては不安や葛藤に潰されてしまうヤワな者は 頂点を極め、その座を保ち続けることはできない。 なんたって自分を切り売りしていく商売だから。 そして絶えず自分のポジションを狙われているのは当たり前。 「リリーが私の役を奪おうとしているから彼女を代役からおろして」 と言ってしまうようなニナのままでは所詮この世界で生き抜くことは無理だろう。 だから彼女が自分の命を張って成し遂げた最初で最後の最高の舞台は 彼女にとってはハッピーエンドだったのだと思う。 しかしそれにつけても。 引退を余儀なくされたエキセントリックなプリマドンナ、ベス役のウィノナ・ライダー。 1度つまづいてしまった彼女の女優としてのキャリアはずっとこのままなのだろうか。 もう1度昔のようなキュートで魅力あふれる役の彼女を見たいとつくづく思う。 ブラック・スワン オフィシャルサイト
by sabunori
| 2011-05-24 15:35
| MOVIE
|
Trackback(7)
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Comments(10)
Tracked
from It's a wonde..
at 2011-05-24 23:55
タイトル : 「ブラック・スワン」
2010年/アメリカ 監督/ダーレン・アロノフスキー 出演/ナタリー・ポートマン ヴァンサン・カッセル ミラ・クニス 3.11の大震災以降、天井が崩落してずっと休業中だった最寄りの映画館がようやく再開したので早速行ってきました。ナタリー・ポートマンがオスカーを獲った作品です。 バレエダンサーのニナ(ナタリー・ポートマン)は新作「白鳥の湖」のプリマの座を射止めるが、「黒鳥」をうまく演じることができずに悩み苦しむ。やがて、彼女は精神に異常をきたしていく・・・と...... more
Tracked
from 真紅のthinkingd..
at 2011-05-25 11:04
タイトル : カ・ン・ペ・キ〜『ブラック・スワン』
BLACK SWAN NYΥХ쥨Ĥ˽°˥ʡʥʥݡȥޥˤϡĻθС Υץޤȴŧ롣ʡĺ«δ֡ϼ˥Х äƤ椯 ʥݡȥޥǥߡޤϤᡢμͥޤޤ 顼ĤϺͿ͡Υեߥå�餻إ쥹 ٤³ơľäƤޤʾ塢ͽ۰ʾݤơˤDzä ѽäΩ夬ä顢äۤɡסˡޤ ܤϲȡԴɤ٤פȸƤޤۤɥХ쥨ڤ ˥ʡʵѤʤ⡢Τ٤ ۤɡï⤬ǧͥΥʥϡ˥...... more
Tracked
from E!Place
at 2011-05-25 14:07
タイトル : 黒鳥。
إ֥å١ʣ Ѥͳ ΥեĤοʤΤǡ 㥹Ȥ˼椫줿顣 Ʀμ ϥ쥤롦磻ȥ˥եͥä 롦ȥפꥫθƤ ֥쥤饤ΥǥƤ롣 ѡݡ٥˹θƤ ΥեĤκǽŪȽǤˤꥦΥʡ饤Ȥʤä ФαDzѤƻפäȡ ͤ̿ʡ إ쥯ࡦեɥ١ʣˤפФ褦ʥѤġ إեƥʱˤĤŤ١ʣˤפФ褦Ūѡ ΥեĤοĺǤѤä褿äơ ѤƤ֤ϥä ǤơɤŤɤϥꥦåɤΥ...... more
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from Mi cinema log
at 2011-05-25 14:21
タイトル : BLACK SWAN ブラック・スワン ’10 アメリカ
見た当時 度肝を抜かれた レクイエム・フォー・ドリーム から8年 その後の最近二作(タグ参照) 前作:老レスラー再生物語はまぁまぁ 前々作は妙な悟り物語で・・・???だったけど 監督ダーレン・アロノフスキーが 予告を見る限り 今回はやってくれそうで期待度大! 病む人 病んでいく人 その過程を描かせたら 彼の右に出る人はいないんでないか?と思う その狭く深いエリア内の世界を 万人にわかりやすく かつ 恐ろしく 説得力大に 神経衰弱すれすれに 画面へ引きずり込...... more
Tracked
from 京の昼寝〜♪
at 2011-06-06 12:32
タイトル : 『ブラック・スワン』
□作品オフィシャルサイト 「ブラック・スワン」□監督 ダーレン・アロノフスキー□脚本 マーク・ヘイマン、アンドレス・ハインツ、ジョン・マクローリン□キャスト ナタリー・ポートマン、ヴァンサン・カッセル、ミラ・クニス、バーバラ・ハーシー、ウィノナ・ライダ...... more
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from 猫茶園・2
at 2011-06-26 21:58
タイトル : 映画『ブラック・スワン』
観たいと思っているうちに、いつのまにか終了間近になっていたので、あわてて観にいきました。 ワタシ、こういう感想とか書くの苦手なので(いや、文章全般書くの苦手です)、以下箇条書きでちょろちょろと。 ・ここまで本格的なホラー・サスペンス映画だとは思ってなかった。 ・全編通して白鳥の湖の様々な場面の曲が、かっこいいアレンジで流れていたのにはニンマリ。床にきしんで立ち上がるポアントのアップにうっとり。 ・お母さん怖ええ~。山岸凉子の漫画に出てきそうな親子関係。(しかし山岸凉子の描く母親...... more
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from itchy1976の日記
at 2011-06-29 22:01
タイトル : 映画「ブラック・スワン」
ブラック・スワン - goo 映画 映画『ブラック・スワン』公式サイト ブラック・スワン - Wikipedia ブラック・スワン(映画.com) ブラック・スワン@ぴあ映画生活 ○スタッフ(goo映画) 監督 ダーレン・アロノフスキー 製作総指揮 ブラッドレイ・ジェイ・フィッシャー ア...... more
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mayumi-68 at 2011-05-24 23:59
sabunoriさん、こんばんは。
私もニナの妄想と現実の境界線がイマイチわかりませんでした。 リリーとお酒飲みに行ったのは現実として、帰ってきた時は・・・一人?一緒?と、混乱状態に。 あと、ウィノナ・ライダーも同様の意見です。最近、彼女はこんな役ばっかりです。まあ、いろいろあったのでしょうがないのかもしれないけれど・・・昔は本当に可愛かったのに・・・。
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sabunoriさん、こんにちは! TOPのポスター、初めて観ました。いいですね~。
私も、ニナったらあんなにビビリまくってて本当に主役張れるの? と懐疑的に観ておりました。 ラストは彼女が命を張ったのだと私も思ったのですが、もしかしてあれも妄想? とか思ったりして・・・。 ところでsabunoriさんって演劇されてたのですね~。 舞台で演じられてたのかしら。。ステキ
sabunoriさん、こんにちは。
なるほど、sabunoriさんはもっと文芸作だと思われていたんですね。 僕はダーレン・アロノフスキー監督の性質上、きっとクセのある映画だろうなと思っていたので、日本でもヒットしていて正直驚いています。 気分的にはミニシアターで観たくなるような作品でしたから。 ニナの母親は過保護であると同時に娘に対してキャリアへの嫉妬心もあったのだろうなと感じます。 僕もニナの最後についてはハッピーエンドだと思いたいですね。 ウィノナ・ライダー、長年のファンとしては完全復活してほしいと願わずにはいられません。 容姿を活かしたクラシックな文芸作に出てほしいです。 TBさせて貰います。
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acine at 2011-05-25 14:20
sabunoriさん こんにちは!
母娘の写真@あの部屋・・・怖すぎですね(笑)。 そーなんですよね。あとで思えば、全て妄想だったかも? と思ったけど、見てる時は、もう次から次へとけっこうショッキングで 画面に目が釘付け&目をつぶったり(笑)で、あれこれ考える余裕なくて。で、傷ついたのが彼女だけだった・・・なんて、悲しすぎる話ですねー。よく考えれば、あの母がニナをあんな風にしてしまったのも悲劇。 いくら娘とはいえ、母親の所有物ではないんだから・・・。 それにしても、見ててしんどい映画でした。あぁー、もう主役なんかいいから、早く病院へ行った方がいいよ!何で、まわりの人は 何も言わないんだろうか?なんて、やきもきしてました。これ以上怖いシーンも見たくないし・・・で(笑)。 ミラ・クニスはカッコよかったですね!↑の写真のような格好も 凄く似合ってた。しかし、あぁいうバレリーナの普段着って 素敵ですね。ラフでかっこいい。大変好みでした。
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sabunori at 2011-05-25 20:33
mayumiさん、こんばんは。
妄想と現実の境目・・・あえて曖昧にしたのでしょうかね。 1つ疑うとイヤ、実はその前の段階から・・・イヤイヤ本当は更にその前から・・・ そうなると全て妄想?ととめどなく疑問が浮かんでしまいます。 それも監督の手腕かしら?? 最近のウィノナ・ライダーは今回のようなエキセントリックで キーキーしているような役が続いていますよね。 もう少しふっくらと変身してゆったりした役なども見てみたいですね。
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sabunori at 2011-05-25 21:00
真紅さん、こんばんは。
あっという間の2時間でしたね。 ニナはあの世界で生き残っていくには精神的にヤワでしたね。 ラストの彼女もまた妄想だったとしたら、現実の彼女はどうなったのかしら。 リリーに対しておこしてしまったアレが事実で、現実から逃避したくて それを消し去ってしまっていたりして・・・。 なんて考えていくとエンドレスですよね。 でも観終わった後にこんなふうにいろいろ語り合ってしまうというのは 監督の思惑どおりだったりして・・・。 ↑のポスター、シンプルだけどなかなかいいですよね。 ニナの黒鳥姿のポスターとどちらにしようか悩んだのですが こちらにしてみました。 演劇ですが・・・大昔の学生時代のハナシです。(恥) 実は中学、高校、短大とずっと演劇部だったんですよ。
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sabunori at 2011-05-25 21:16
Elijahさん、こんばんは。
ダーレン・アロノフスキー監督作品というのは・・・そうなんですね。 いつもどおり監督が誰かということもチェックせず観てしまいました。 「レスラー」もこの監督だったのですね。 「レスラー」と本作が監督にとっては姉妹作というのをElijahさんから お聞きして「なるほど」と思いました。 確かにラストなどに共通する部分がありますね。 本作を観てしみじみ母と娘の関係の複雑さを考えてしまいました。 ところでウィノナ・ライダーですが・・・ なるほど!確かにクラシカルな文芸作にあの容姿は映えますよね。 私もそういう作品での彼女を見てみたいです♪
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sabunori at 2011-05-25 22:32
acineさん、こんばんは。
acineさんがひぃ〜っと目をつぶってしまったシーンがわかり、スッキリです。(笑) あのベスの病院のシーンは怖かったですねぇ。 足のシーンも自虐シーンも。ひゃ〜っ思い出しただけでも・・・。 あとはニナのお母さん。 「笑っているだけでも怖い」というacineさんの感想に思わず納得。(笑) 母親が実現できなかった自分の夢を娘に・・・というのはここまで大きな夢の実現 でなくとも大なり小なりあることですよね。 自分にもしも娘がいたら同じようになっていたりして・・・と考えてしまいました。 acineさんがおっしゃるようにバレリーナの普段着はサラッとシンプルでも スタイルがいいからとってもステキですよね。 自分ができなくて憧れるものの1つにあのバレリーナたちがよくやる 「おでこを出して髪の毛を無造作に後ろでキュッとひとまとめにする」 というものがあります。 あれが似合うヒトは本当に美しいヒトなんでしょうねぇ。 ニナしかり、リリーしかり・・・。
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kira
at 2011-06-05 15:37
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sabunoriさんは演劇部だったのですか~?
それだとまた観る視点もちょっと違ったりすのでしょうかね(^^*) これはもう一人の母になって観ていました。が、 つい最近、この怖いママを演じたバーバラ・ハーシーの昔の出演作をみて、 その怖さにハクがついたな~と思ったり、 この作品のウィノナの位置づけに関しては、ほぼ皆さんと同じで 本当に一発逆転的な、素敵な作品との出会いでお目にかかりたいと願ったり、でした。
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sabunori at 2011-06-07 00:33
いやもうそれはコッソリしまっておきたい過去でございます・・・。(恥)
バーバラ・ハーシーって昔から知っているはずなのに過去の作品が 出てきません。 kiraさんは何をご覧になったのかしら?? 本作での彼女は怖かったですよねぇ。 いるだけで怖い。 ウィノナについてはあの輝いていた頃よ、もう1度!と思わずには いられませんよね。 ぜひ良い作品との出会いがありますように・・・。 そしてできることならもう少しふっくらして欲しい。 ギスギスし過ぎでしょう、今の彼女。
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