バンコク発プーケット行きサンセット航空407便に乗り合わせたさまざまな人々。
しかしこの便は10年前に飛行機事故を起こした時と同じ機体であり、
偶然にもその10年前の事故で唯一の生存者であるCAのネウ
(マーシャ・ワタナパーニット)がこの便で職場復帰を果たしていた。
好物ながらなかなか鑑賞の機会に恵まれないタイ映画。
それも航空機モノ、更にホラー映画となれば観ないワケにはいくまい。(笑)
もちろん隙のない見事な秀作・・・とは言い難い。
しかし隙間だらけでありながらこれでもか!と乗客たちに襲い掛かる恐怖。
機内の酸欠、姿を現す幽霊たちと怪奇現象、パイロット不在で制御不能になる
機体と墜落の恐怖・・・。
1人、また1人と命を落としていく乗客。
だけどそれは恐怖のあまり幻覚に取りつかれてしまった乗客が
自分が生き延びるために他の乗客を殺害してしまうという最悪のパターン。
そう、この作品で登場する幽霊たちは決して自ら乗客たちに手を出しはしない。
ただ姿を現しそこにいる。
・・・それだけでも十分恐ろしいのだが。(笑)
結果的には心の弱いものがパニック状態に陥り最終的には自滅の道をたどる。
要するに魔物は自分の中にいるということだろうか。
タイで行われた完成試写会では俳優で歌手であるルアンサック・
ローイチュサックが司会を務めたという。
この人物、なんと98年に実際に航空機墜落事故に遭遇し
九死に一生を得たのだという。
実は作品よりもこちらのエピソードの方が私にとっては強烈な印象だった、
というのはいかがなものだろう。
ゴースト・フライト407便 オフィシャルサイト2012年 タイ映画