やはり周星馳の作品はいい。
愛すべきバカギャグとファンタジーの融合。
その中に込められたストレートなメッセージ。
新年に観るにはもってこいの一作だ。
徐克(ツイ・ハーク)、田啟文(ティン・カイマン)以外の俳優陣は
ほぼ馴染みのない顔ぶれ・・・と思っていたら「
西遊記 はじまりのはじまり」の
メンバーが登場していたのね。気づかなかった!
とってもキュートなタコ兄を演じていたのが「西遊記~」で空虚王子役だった
羅志祥(ショウ・ルオ)だったとは。
今回彼が演じたのは前作の青白い顔をした不健康そうな役とは打って変わって
足を焼かれても切られても身もだえながら耐えまくる愛すべき人魚界の兄貴、
タコ兄。
そしてもう1人「西遊記~」で三蔵法師役だった文章(ウェン・ジャン)が
警察官役で登場。(このシーンも好きーっ笑った笑った)
海辺の自然保護区を買収し住処を奪われ絶滅の危機に追い込まれた人魚族が
復讐のために送り込む刺客の美しい人魚サンサン(林允:ジェリー・リン)。
恋愛経験の乏しい彼女の教育を・・・と自らレクチャーにしゃしゃり出るタコ兄が
「まったくときめかない」とサンサンに真顔で言われ人知れず玉砕する姿が
かわいそうやら可笑しいやら。
このあたりのエピソードを観ながら頭に浮かんだのは「ラスト、コーション」。
どうやらやはり周星馳式アン・リー監督へのオマージュだったようだ。
(パロディとは言わないのね)
その一方であまりにも醜い人間のエゴにより人魚族たちが追い詰められ
生け捕りにされていくクライマックスシーンでは思わず涙・・・。
必死に海を逃げていくサンサンの姿に「どうか逃げ切って!」と祈ってしまう。
自らの体を楯に最後までサンサンを守ったリウ(鄧超:ダン・チャオ)の
姿を見て物語のラストで初めてこの男の今までの生き様を許す気持ちになった。
そうそう。
ラストシーンで一瞬ニモが登場するのもお見逃しなく。
人魚姫 オフィシャルサイト香港・中国合作
<「2017 冬の香港・中国エンターテイメント映画祭」にて鑑賞>