「
アンニョン!君の名は」でも主人公を演じたチャンタウィット・
タナセーウィーが演じるのは会社のIT部門に勤める地味男子デンチャイ。
社内のPC修理では重宝がられるものの誰も彼の名前を覚えてくれない。
そんな中唯一名前で呼んでくれる営業部のヌイ(ニター・ジラヤンユン)に
一目惚れするものの、彼女には恋人がいて・・・。
舞台はデンチャイたちが社内旅行で訪れる北海道がメイン。
社長が旅行先を北海道に決めたのは恋人ヌイの希望を叶えたというのが
実のところだし、お得意先にもヌイを連れて行くなど妻子持ちながら
やりたい放題なイケメン社長。
一体どんな会社なんだ。(笑)
それに比べて主人公デンチャイの奥ゆかしさよ。
ひょんなことからヌイが1日だけの記憶喪失にかかってしまい、
恋人として北海道での1日を過ごすチャンス到来!
はじめこそデンチャイのイケてなさに引き気味だったヌイだったが
いつしか彼の人柄に惹かれていく。
もうひと踏ん張りしたらヌイとの恋人関係はこれからも続いていくに違いない。
なのにデンチャイはこの人生最高の1日の記録を全て消し去り
自分1人の記憶だけを残す道を選ぶ。
それは2人で訪れた雪祭りの作品たちが祭りの終わりとともに
全て壊されていくシーンとオーバーラップする。
切ないなぁ。
物語はデンチャイが会社もやめヌイの前から姿を消して幕を閉じる。
あの1日の記憶をなくしたヌイが何かのきっかけで「あの日のかけら」から
デンチャイの存在を思い出す日が来ることを信じたい。
<「大阪アジアン映画祭2017」にて鑑賞>
2016年 タイ映画