葉問がダンスを踊るのよ。
葉問がスープを煮込むのよ。
予告編ではハードな格闘シーン中心の作品なのかしら?と思わせておいて
フタを開けてみれば葉問(甄子丹:ドニー・イェン)と家族の絆の物語だった。
穏やかな人格者、葉問が実のところ愛妻家にして恐妻家というは
このシリーズのお気に入りの設定なのだが、本作では詠春拳よりも
妻と寄り添う日々を選ぶ葉問の姿、更にそんな夫の背中を押して
詠春拳を継承していってほしいと願う妻の支えに心打たれた。
だってねぇ。
エレベーターに乗り込んで来た強者の敵とともに夫がエレベーターから
降りて行って妻が1階に到着してエレベーターの扉が開いた時には
敵を倒してニッコリ微笑む夫がいるなんて・・・そりゃ惚れ直しちゃうだろうがー!
そしてそして。
キャスティングが妙に私のツボで思わずニヤニヤ。
真っ赤なジャケットがお似合いの譚耀文(パトリック・タム)のゲスさに
💛
自分の師匠にあんな仕打ちするなんて本当にクズ。
でもあの微妙な小物感がいいのだわ。(←褒めてます)
そんな彼の師匠を演じる梁家仁(レオン・カーヤン)もいい。
竹を割ったような一直線な性格のティエン師匠も現在は第一線を退いて
傘屋を営んでいるのね。
そして刑事を演じる鄭則仕(ケント・チェン)、出たー!
英国領だったこの時代、警察の上層部はイギリス人が牛耳っていて
これがまた悪事を働いていたとしてもどうにもできないジレンマは
付きものだったわけで。
英国領時代の警官の半ズボン+ブーツ制服もかなり好き。
更に陳國坤(ダニー・チャン)といえばやはり李小龍(ブルース・リー)。
冒頭のエピソードは楽しかった。
でもまるでお笑い芸人の顔マネの如くブルース・リーを
誇示し過ぎな気がしたのは私だけ?(笑)
だってコレだもの。(☟)
しかしながら私がこの作品で最も好きなのは舞台となる1960年前後の
香港の街並。
レトロモダンでキッチュな看板や建物たちに思わず心奪われてしまうのだ。
イップ・マン 継承 オフィシャルサイト