ニコラス・ケイジとウィレム・デフォー。
この2人の共演につられて鑑賞してはみたものの・・・。
なんだかなー。
登場人物たちがクズのオンパレードとしか言いようのない作品だった。
まずは群を抜いて最低のクズがウィレム・デフォー演じるマッド・ドッグ。
まるで「天才バカボン」に登場するおまわりさんの如く銃を撃ちまくる。
あそこまで徹底していると逆に潔く天晴とさえ思えそうだが
やっぱりどう考えてもクズはクズでしかない。
元奥さんと娘が今まで殺されなかったことが不思議に思えるほど。
このマッド・ドッグの強烈な存在感のおかげでトロイ(ニコラス・ケイジ)と
もう1人の相棒ディーゼル(クリストファー・マシュー・クック)が
どこかまともな人間に見えてしまうから困ったものだ。
マッド・ドッグが救いようのないクズなのに対してこの2人は
少しだけまともなクズなだけで、やはりクズに変わりはないのだ。
物語の中、3人の会話で「忍者」というキーワードが出る。
すると3人が間髪入れず「ジャキー・チェンだな」とうなずき合う。
・・・これは主人公たちが「アジアは1つの国」くらいの知識しかない
典型的アメリカ人である、という設定から発せさせたセリフなのか。
はたまた監督自身がマジでそう思っているのか。
その真意がつかめずこの場面が笑いどころなのか否かが謎だった。
・・・こんな疑問を持ったのは私くらいかもしれないが。(笑)
ストーリーについてもまた監督の意図がつかみきれなかった。
物語のラスト部分が一体何を意味するのか?
警察に捕らえられたトロイが受けた暴力行為は現実なのか妄想なのか?
なぜ牧師夫婦がトロイの巻き添えにならねばいけなかったのか?
全てにおいてスッキリとせず後味の悪さが残る作品となってしまった。
残念。
ドッグ・イート・ドッグ オフィシャルサイト