それほど期待していなかったからだろうか。
前半こそ少々退屈したものの後半は思いのほか(失礼!)楽しめた。
ま、良くも悪くもいつものジャッキー節炸裂の定番作品とでもいうか。
しかしある程度以上のめり込めないのはセリフが全編北京語に加え
最初から最後まで大陸の香りが満載だからに違いない。
洪金寶(サモ・ハン・キンポー)の「
おじいちゃんはデブゴン」とは
いろいろな意味で対照的な作品だ。
年月を重ね現在の洪金寶の年齢に寄り添った物語であるあちらの作品に比べ
ジャッキー作品ではその概念はほぼ存在しない。
どんな役柄であっても役の方がジャッキーに引き寄せられるのだ。
だからこそ実の息子(房祖名:ジェイシー・チャン)と兄弟役なんていう
大胆不敵なキャスティングも許されてしまうのかもしれない。
実はジャッキー親子以外のキャストは印象が薄い。
鑑賞から時間が経った現在ではほぼ記憶から消えているほどだ。
その中にあって唯一強烈に印象に残る人物が1人。
日本兵山口を演じる池内博之である。
日本の作品の中ではそれほど輝きを感じない彼であるが、
アジア作品の中ではその魅力が余すところなく発揮される。
本作でもいつもの通り主人公たちの敵役となる日本人兵という役どころ。
ほとんど道化と言っていいほどのハイテンションな演技は悪役のはずが
物語が進むにつれどこか愛すべきキャラクターに思えてくる。
今になって考えるとこの作品、「ジャッキー映画」だったのか
はたまた「池内映画」だったのか・・・?