この作品を観て張震(チャン・チェン)に惚れない女子がいるだろうか。
殺し屋としてのクールなロンも
ゴツゴツした手で美味しい料理を作るロンも
テンション高めの日本人たちの中でわけもわからず戸惑うロンも
パフュームのTシャツに身を包むロンも
卓球の腕がヘッポコ過ぎて女性に負けるロンも
全てクラクラするほどいい男過ぎる。
「その出会いは運命を変えていく」
この運命の出会いが「女」ではないところがいい。
東京での「仕事」に失敗した殺し屋ロン(張震:チャン・チェン)が
栃木の田舎町で出会う1人の少年ジュン(白潤音:バイ・ルンイン)。
このジュンに救われるロンだが、実はこのジュンの父親によって
ロンは本当の意味で命を救われている。
そんなことを彼らが知る由もないのだが。
またこの田舎町に住むおせっかいな日本人たちの温かさが半端じゃない。
言葉が通じなくとも素性が知れずとも「食べ物」というたった一点の
共通の言葉であっと言う間に孤独な殺し屋を受け入れてしまう懐の深さ。
それだけにとどまらず当人の意志は置いてきぼりのまま彼らの計らいで
ロンちゃん(笑)は牛肉麺の屋台をスタートすることに。
(屋台の看板に書かれた「とってもハオツー」の文字の愛らしいことよ)
ジュンの野球の試合で思わずガッツポーズをして喜びを表してしまう自分を
恥じ入るロンに思わずクスッ。
今までの彼が歩んできた道は喜怒哀楽を切り捨てなければいけない人生だった。
そんな彼が顔をくしゃくしゃにして自分の感情を露わにする高雄の街での
クライマックスシーンはやはり嬉しい。
だけど感動の再会は道路を渡ってからにしましょうね。(笑)
Mr.Long(ミスター・ロン) オフィシャルサイト日本/香港/台湾/ドイツ合作