昨今大量生産されている邦画の高校生ラブストーリー映画に
うんざりぎみの私ゆえ、観るなら断然こちら!と張り切って劇場へ。
しかしフタを開けてみれば感想を書かなくてもいいかな・・・と
思ってしまうほど良くも悪くも軽い作品だった。
イギリスの高級住宅地ハムステッドにあるロンドン最大の公園
ハムステッド・ヒースに住むホームレスがその所有権を手にして
一夜にして資産家になったという実話をベースに作られた物語。
しかし本作の主人公はこの男性ドナルド(ブレンダン・グリーソン)の
生活に興味を持つ公園向かいの高級マンション暮らしのエミリー
(ダイアン・キートン)。
御年70越えといえども背筋ピーン、ファッションにも手抜きなしと
相変わらず天晴なダイアン姐御。
あらら?と気づくとエミリーはドナルドと特別な関係になっているのだが
このいつのまにやら・・・というのが若い恋愛とは違う部分なのだろうか。
しかしドナルドが長年住んでいた公園の土地の権利を裁判で勝ち取る
エピソードは事実であってもやはり私には理解ができない。
だって代償を支払って自分が手にいれた土地じゃないわけで・・・。
ドナルドが裁判で勝利したところでめでたしめでたしなのかな、と
思っていたら意外なことにそうではなかった。
裁判がひと段落するとエミリーが切り出す。
「さて、これから先の人生どこで過ごす?」
てっきりこの場所でエミリーと2人仲良く暮らしていくと思っていた
ドナルド(と私)にとっては青天の霹靂。
「これから更に年老いていく私たちにここでの自給自足の生活は無理」
とバッサリ言い切るエミリーの姿は感情だけで突っ走らない点で
若い頃の恋愛との差を突き付ける。
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