コラス・ウィンディング・レフン流映画愛が詰まった作品だなーと
思わずニヤリ。
歩く足元から登場人物を映し出すファーストシーンのクールさに
すでに心をつかまれる。
BGMも1人ごとに違うというこだわり。
レンタルビデオショップで働く映画オタクのレニー(マッツ・ミケルセン)と
その仲間たちの日常。
いや、日常と言っても血の気の多いエピソードはあるのだけれども。
この物語にも登場するがとんでもない暴力的な男に限って自分の妹を
アホみたいに可愛がるというあのパターンは一体何なのだろう。
妹に暴力をふるった報復にあんな手段を使うとは度肝を抜かれた。
しかしその報復返しの方法がまた更に恐ろしく・・・。アワアワ。
そんな血なまぐさいエピソードとは対照的なレニーとデリカで働く
レアの初デートまでのぎこちない会話ややりとりの愛らしさときたら。
映画にそれほど興味のない彼女から「好きな映画は?」と聞かれて
「悪魔のいけにえ」と答えるレニーって。(笑)
他にも「セガールは最強」と言い張る友人に「セガールは太り過ぎ」と
切りかえしたり(私も太り過ぎに1票!笑)
「『猿の惑星』はどれが一番好き?」「そりゃもちろん1作目」
「それじゃ『13日の金曜日』は?」「それは3作目」「・・・えっ?」
なんていう会話は映画好きにはワクワクだろう。
(ちなみに私はやっぱり1作目。ケヴィン・ベーコン出てるし)
どうにかかこつけたレアとの映画デート。
映画館の上映作品の中には「重慶森林(恋する惑星)」も。(嬉)
映画一色の生活をするレニーの一方、読書が趣味のレアが通う
古本屋が圧巻で。
本好きなら所かまわず積まれた本たちに囲まれて1日中過ごしたく
なるような本屋だ。
彼女と交流することでレニーの生活にも別の色が増えたら楽しいのに・・・
なんて考えてしまうのは大きなお世話だろうか。
1999年 デンマーク映画