「みじめな人」という邦題についてはあえて語らない。(笑)
いい映画。
どうしよう。
いいお話過ぎて書く感想が、ない。
事故で全身麻痺状態になってしまった1人暮らしの昌榮
(黄秋生:アンソニー・ウォン)とそんな彼のもとにやってくる
フィリピン人の住み込み家政婦イヴリン(クリセル・コンサンジ)の
心の絆を描いた秀作。
雇い主と雇われ人。
最初こそ表面的な関係だった2人が少しづつ心を開き互いの存在を尊重し合い
いつしか固い絆で結ばれていく。
どこか「グリーンブック」と重なる印象の作品だ。
一番楽しかったのは昌榮のヘタ過ぎる英語混じりの広東語とイブリンの
広東語がミックスされた英語での会話。
こんなふうに広東語に英語をミックスして話すのは香港人の日常。
慣れない頃は違和感を感じるばかりだったのだが慣れてくると
あの不思議なリズムが妙に心地よくなってきたりして。(笑)
口では「雇い主との繋がりはお金だけ」とクールなことを言っていた
イヴリンの仲間が「奥様が亡くなった。大好きな人だったのに」と涙する。
阿媽(アマ)と呼ばれる香港家庭で働くフィリピン人女性たちの心情を
描いたエピソードが印象に残る。
昌榮の世話を焼く気の良い友人を演じる李璨琛(サム・リー)の風貌が
吹越満に見えて。(笑)
若い頃の奇天烈感が和らぎ普通の大人になったわねーと思ったが
これって単に役づくりなのか??
一方お久しぶりな葉童(イップ・トン)は昔より若い気が・・・。
2018年 香港映画 <「大阪アジアン映画祭2019」にて鑑賞>